上越国境「蓬峠」超え その1 [谷川岳]
忙しくてなかなか出かけられなかったのですが連休に入り久しぶりに谷川岳に出かけた。
蓬峠(よもぎとうげ)。
西黒尾根より眺めた蓬峠(この写真だけは当日とは別の日の撮影です)
谷川連峰はまさに壁。超えないと向こうに行けない。谷川超えでいくつかある峠の一つです。
蓬峠~七ツ小屋山~清水峠~~笠ヶ岳、朝日岳、白毛門
(クリックで拡大します)
我が家のルーツは新潟。
新潟に行くには谷川連峰を越えなければならない。現代人はクルマや電車であっという間ですが、昔の人は自らの足でここを越えたのです。歩いてみればよくわかりますが、この峠超えだけでも命を落とした人は少なくないはず。晴れているならまだいいけれど、荒れだしたらとんでもないでしょう。
6月初旬に一度計画しましたが、サル軍団と悪天と残雪で白樺避難小屋のちょっと先で撤退したのでした。
そしてやっと9月末になりチャンスがあったので出かけた。
http://aquaorange.blog.so-net.ne.jp/2009-06-09
6月の記事
距離にして約20キロの長丁場でもあり、歴史のある峠を越えて(登山です)、それで新潟に下りるというのはハイキングとしてはちょっと長いけれど楽しい。
帰りは土樽駅発の15時22分の電車に乗って土合駅に再び戻るというオーソドックスなルートです。
クリックで拡大します。
(行きは青い線で徒歩)土合駅(標高670m)~マチガ沢~一ノ倉沢~幽ノ沢~JR巡視小屋~芝倉沢~武能沢~白樺避難小屋~蓬峠(標高1529m)~蓬ヒュッテ~土樽駅
(帰りは緑の線で電車)JR上越線 土樽駅~土合駅
川端康成の「雪国」で有名な『国境の長いトンネルを抜けると・・・』の舞台はここである。
岩壁巡りをしながらまずは旧道を行く。
一ノ倉沢が見えてきた。あいかわらず圧倒的だ。連休中で道路が規制されていたのでとても静かな散策になった。
霧で上部は見えていなかった。
すでに山頂部は紅葉していたそうですね。こちらは標高が低いので色づくのは10月です。
ずっと見ていたいけれど先が長いので歩かなきゃいけない。
明治新政府の御世になり新潟超えのこの国道が整備され、完成時には山県有朋なども参列して盛大な式典が催されたそうです。
馬車も通れるほどの広さの道路になっていますが、しかしここは距離があり雪深く劣悪な環境、様々な好条件があわないと超えられない感じだったのではないでしょうか?
だからあっという間にこの国道は廃れてしまいます。
幽ノ沢から少し歩いた後に新道に下りました。
芝倉沢出合にJRの巡視小屋があります。谷川岳の下を鉄道のトンネル(清水トンネル)が走っているので電気を供給するための何らかの施設みたいですね。山には大きな送電線の塔がいくつも建っています。
芝倉沢出合
土合からここまで5.5キロ、ここから湯檜曽川沿いを行き武能沢を越えると蓬峠まで本格的な登りになる。
芝倉沢より堅炭尾根。
湯檜曽川
途中でガレ場のトラバースもありますが、ここは6月のときは残雪がありました。
しばらくはこういう感じのところを行きます。
湯檜曽川から正面に見えるあの奥の尾根を越えなきゃいけない。やっぱり遠いなあ。
時期的に花はほとんど終わりだし紅葉にはまだ早く、しかもガスで視界が悪くてモチベーションもさほど上がらないまま。
武能沢を越えて山道になります。本格的な登りですが単調な九十九折りが続きます。
ブナの森を進んでいく。武能岳のブノウとはブナが訛ったものだそう。
しばらく登ると大きな送電線の鉄塔に出くわす。そこにウメバチソウの群落が。
そういえば6月初めに来たときはアカモノやムラサキヤシオが咲いていたっけなあ。
後ろを振り返ると谷川岳の岩壁群が静かにそこにあった。
白樺避難小屋
蓬峠と清水峠を分ける分岐
蓬峠に向かう
目の前に大きな武能岳
つづく
蓬峠(よもぎとうげ)。
西黒尾根より眺めた蓬峠(この写真だけは当日とは別の日の撮影です)
谷川連峰はまさに壁。超えないと向こうに行けない。谷川超えでいくつかある峠の一つです。
蓬峠~七ツ小屋山~清水峠~~笠ヶ岳、朝日岳、白毛門
(クリックで拡大します)
我が家のルーツは新潟。
新潟に行くには谷川連峰を越えなければならない。現代人はクルマや電車であっという間ですが、昔の人は自らの足でここを越えたのです。歩いてみればよくわかりますが、この峠超えだけでも命を落とした人は少なくないはず。晴れているならまだいいけれど、荒れだしたらとんでもないでしょう。
6月初旬に一度計画しましたが、サル軍団と悪天と残雪で白樺避難小屋のちょっと先で撤退したのでした。
そしてやっと9月末になりチャンスがあったので出かけた。
http://aquaorange.blog.so-net.ne.jp/2009-06-09
6月の記事
距離にして約20キロの長丁場でもあり、歴史のある峠を越えて(登山です)、それで新潟に下りるというのはハイキングとしてはちょっと長いけれど楽しい。
帰りは土樽駅発の15時22分の電車に乗って土合駅に再び戻るというオーソドックスなルートです。
クリックで拡大します。
(行きは青い線で徒歩)土合駅(標高670m)~マチガ沢~一ノ倉沢~幽ノ沢~JR巡視小屋~芝倉沢~武能沢~白樺避難小屋~蓬峠(標高1529m)~蓬ヒュッテ~土樽駅
(帰りは緑の線で電車)JR上越線 土樽駅~土合駅
川端康成の「雪国」で有名な『国境の長いトンネルを抜けると・・・』の舞台はここである。
岩壁巡りをしながらまずは旧道を行く。
一ノ倉沢が見えてきた。あいかわらず圧倒的だ。連休中で道路が規制されていたのでとても静かな散策になった。
霧で上部は見えていなかった。
すでに山頂部は紅葉していたそうですね。こちらは標高が低いので色づくのは10月です。
ずっと見ていたいけれど先が長いので歩かなきゃいけない。
明治新政府の御世になり新潟超えのこの国道が整備され、完成時には山県有朋なども参列して盛大な式典が催されたそうです。
馬車も通れるほどの広さの道路になっていますが、しかしここは距離があり雪深く劣悪な環境、様々な好条件があわないと超えられない感じだったのではないでしょうか?
だからあっという間にこの国道は廃れてしまいます。
幽ノ沢から少し歩いた後に新道に下りました。
芝倉沢出合にJRの巡視小屋があります。谷川岳の下を鉄道のトンネル(清水トンネル)が走っているので電気を供給するための何らかの施設みたいですね。山には大きな送電線の塔がいくつも建っています。
芝倉沢出合
土合からここまで5.5キロ、ここから湯檜曽川沿いを行き武能沢を越えると蓬峠まで本格的な登りになる。
芝倉沢より堅炭尾根。
湯檜曽川
途中でガレ場のトラバースもありますが、ここは6月のときは残雪がありました。
しばらくはこういう感じのところを行きます。
湯檜曽川から正面に見えるあの奥の尾根を越えなきゃいけない。やっぱり遠いなあ。
時期的に花はほとんど終わりだし紅葉にはまだ早く、しかもガスで視界が悪くてモチベーションもさほど上がらないまま。
武能沢を越えて山道になります。本格的な登りですが単調な九十九折りが続きます。
ブナの森を進んでいく。武能岳のブノウとはブナが訛ったものだそう。
しばらく登ると大きな送電線の鉄塔に出くわす。そこにウメバチソウの群落が。
そういえば6月初めに来たときはアカモノやムラサキヤシオが咲いていたっけなあ。
後ろを振り返ると谷川岳の岩壁群が静かにそこにあった。
白樺避難小屋
蓬峠と清水峠を分ける分岐
蓬峠に向かう
目の前に大きな武能岳
つづく
2009-09-19 17:22
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コメント(11)
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一ノ倉沢、人を寄せ付けない厳しい表情をしていますね。
旧清水越国道…当時の新政府は、やはり産業の発展を願って作ったのかなと想像しますが、さすがにこの山を越えるのは生易しいことではなかったのですね。
険しい山の風景が続く中、ブナ林の存在はなんだかほっとします。本格的な登りとのことなので、歩いているご本人はほっとしている状況ではないのでしょうけれど…^^;
戦場ヶ原の散策の様子を綴ったブログ記事もやっと完結しました。カズさんのおかげで本当にいいコースを散策出来たと、自分の記事を見返してつくづく思っています。ありがとうございました。
私が訪れたちょうど1カ月後に、奥日光から初霜の便りが届きました。山はこれから一目散に秋に向かいますね。
by めりっさ (2009-09-23 00:49)
お久しぶりです♪
この時期は森の熊さんとお猿さんに十分気をつけなければいけないでしょうね!^^
このルートを日帰り縦走したんでしょうか?
地図にあるガイド上では全行程8時間5分とあるので、健脚の方でないと一泊が無難なのかなぁ。
早朝発てば可能なので、前夜に入って車中泊とか。
その昔、栃木白根山の時はそうしたんですよ。(^^)v
by sara-papa (2009-09-23 13:01)
こんにちは^^
お久し振りです!
お休みが取れて良かったですね!
6月に計画した谷川連峰越えですね〜
一ノ倉沢はやはり幽玄な雰囲気で素敵です♪
カズさんは歩いている時は何を考えていらっしゃるのでしょう・・・?
木々も色づいて、もう秋ですね〜
紅葉狩は少し早めようと思います。
明日、旅行会社に交渉しようと思います(^_^;)
by いろは (2009-09-23 16:04)
☆めりっささん
ここは登山として登っても簡単ではないので、当時の服装や道具では非常に厳しく難しいものだったと思います。道は長くて険しく自然環境も酷いです。当時の旅人にとっては命がけというのも大袈裟ではないような気がします。
日光の旅もご家族で楽しまれたとの事、よかったです!ツルニンジンもあったんですね。ぜひぜひ季節を変えてまた訪れてください♪
☆sara-papaさん
もちろんこれは日帰りなんですよ~。夜明け前から行動していますから十分です。天気予報が晴れとなっていたわりにはガスが取れずに歩きも早くなったかもしれないですね。電車の本数が極端に少ないので、それに間に合わせなきゃいけないというのがこの縦走の計画のまず考えなきゃいけないことかもしれないですね。帰りは早く土樽駅に着きすぎてだいぶ構内で待ちましたけど(笑)
☆いろはさん
栂池はそろそろ見頃になってきたという情報がありました。やっぱり今年はどこも早いみたいです!?せっかく遠くまで行くのですから一番いい時に行ってくださいね!それと紅葉に大事なのはお天気ですよね~。当日は青空になって欲しいです。
私は歩いているときは「いい被写体ないかな??」くらいしか考えていないかもしれないです(笑)。
by カズ (2009-09-23 20:34)
山での楽しみ方も乗り物を利用したりで進化させてますね。
奥の深い工程ですが一人旅だと万が一の時救助もままなりません。
無理はしないで下さいね。
by 旅爺さん (2009-09-24 19:38)
なんだか険しい道をたっくさん歩いて来たのですね~。
昔の人は草鞋でですもんね・・・足も腰も痛くなったと思います。
こういうごろごろだらけの中で、お花の群生を見つけると嬉しいでしょうね。
ウメバチソウ・・・いっぱい!!
お昼は何を食べましたか??
私には行けそうにないとこだけど・・・今は静かなとこへ行きたい気分でいっぱい!
つづきは・・・いつかなぁ~? (´艸`)
by こぎん (2009-09-25 08:59)
☆旅爺さん
単独行は気をつけなきゃいけないですよね。疲労してくると注意力が散漫になっていたりで怪我でもしたら大変。過信せずに楽しみたいです。
☆こぎんさん
昔の人は身体が頑丈じゃないと旅もできなかったはずですよね。まず当時の靴や服でここを超えるのは無理。。。
峠超えっていうのは昔から人間生活の課題だったのでしょうね。違う世界とのつながりが唯一そこだけということもあって、それを超えると新しい世界があったんじゃないかな~。着る物も食べ物も文化もそうですよね。
お昼はパスタです!とんがらしの効いたペペロンチーノが美味しいですね~。
by カズ (2009-09-28 08:13)
一気に沢山日記がアップされていたのでゆっくり拝見させて頂きますね。^^
谷川岳は色んなルートで楽しめていいですね。
このルートはちょっと寂しい雰囲気がして、体力があってもちょっと怖いかなぁ。天気のせいもあるかと思いますが。
一の倉は雲がかかったり、天気が悪いと、かなり重々しく感じます。
ブナ林とウメバチソウが和ませてくれますね。
しかし20km!しかも平坦な道じゃないのですから、さすがにカズさんはタフですね!
ペペロンチーノのパスタランチ☆美味しそう!!
パスタの時はそこで茹でるのですか?
by きのこ (2009-10-01 01:18)
きのこさん
多忙につき諸々が遅くなりましてすみません!
このルートはルートそのものはそこまで厳しいものじゃないですが、人がいないのでかなり寂しいですよ。谷川は人気がある山ですが登山道と山頂からはずれたら人なんて滅多に会いませんよね。だから本当に注意しなきゃいけないところです。
山では食事がすごく大事でしょう?
すぐ栄養になるものというのはもちろんですけど、温かいものがやっぱり食べたいですよね。バーナーも今はすごく軽いからこれは持っていかないと。おいしいものを食べるとその後の疲労度が全然違いますよね~。
パスタはもちろん茹でますけど、麺じゃなくて耳たぶタイプのやつと市販のペペロンチーノのソースを温めて乗せるだけという簡単なものですもちろん(笑)。ちょっとソーセージやニンニクのスライスを足したりしますね~。軽めのフライパンも持っていきますから。
私、モリモリ食べるのでいつも食べるものはたくさん持っていきますよ(笑)。
by カズ (2009-10-01 22:15)
こちらこそ、かなりの時差でのコメント、スミマセン。。。
お互いのんびり行きましょう♪笑
食べ物、重要ですよねー。以前はおやつも栄養補給系などが多かったのですが、やっぱり食べたいものを持って行くのが一番だと思い、最近は好きな物持ってってます♪
寒くなって来ると温かいものがいいですよねぇ。
私も今度パスタ作ってみます!!
by きのこ (2009-10-04 23:18)
☆きのこさん
寒くなって来たら尚更食べ物は重要ですよねー。行きは重くて大変ですけど山頂でいい景色を見ながら食べられると思えば軽いもんですわ~(笑)。
そういえば山と渓谷をパラパラと読んでいたら、隅に小さく「キューピーマヨネーズ」の宣伝がしてあるんですよね。なんで山の雑誌にマヨなんだ??と思ったら、軽くて携帯に便利で栄養価も高いよ~というものなんですけど。何年か前に遭難した人がマヨネーズだけ食べて(飲んで)生きて帰ったことがあったんですね。
切り離しができる小さいパックのマヨネーズやら加糖練乳(イチゴにかける甘いミルク)も保存が利くし小さいのでザックに入れておいてもいいものだとよく言われます。
by カズ (2009-10-06 20:25)